The Specialist「匠が語る」
仕事の喜び、東和の誇り

技術本部 技術部
　設計コンサルティング グループ　N氏

 私は長年、国際会議で使われているBOSCH 会議・同時通訳システムの技術担当の業務を担ってきました。
 2015 年の国連防災世界会議や2019 年のG20 大阪など、多くの国際会議における会議・同時通訳システムの運用サポートを行ってきました。
 特に思い出深いのが、初めての本格的な国際会議だった2008 年の北海道洞爺湖サミットです。オペレーションを担当する会社との事前打ち合わせやシステム構築のサポート、現地インストール作業のサポートなどを経て各国の要人を目前にし、開幕を迎える時には、あまりの緊張感に押しつぶされる思いでした。
 当社はBOSCH の日本の総代理店を50 年以上にわたって務めており、販売から運用サポート、メンテナンスや技術的な相談などを一手に引き受けてきました。世界的に見ても一つの国で1 社が独占した代理店契約は極めて珍しい形態です。BOSCH が主催する式典では当社も必ず招かれてスピーチをするなど、BOSCH の担当者から「東和は我々のファミリーだ」と言われるほど、厚い信頼をいただいています。
 BOSCH の会議・同時システムは国内市場において非常に高いシェアを持っています。よって当社の担当は、会議・同時通訳システムにおいては日本一のスペシャリストとも言えます。そんな責任と誇りある仕事に長年、携わらせていただき心から感謝しています。

技術本部 技術部
　設計コンサルティンググループ　Y氏

 私はホテルシステム課時代に、宴会場の音響・照明設備で総合的なシステムを設計・納入するようになりました。当時当社では取り組んだことのない試みで、著名な設計事務所とのやり取りなどに随分苦労しました。ホテルの宴会場は結婚式から歌謡ショーまで幅広く開催され、部屋を分割して利用するなど、多目的に利用されます。あらゆるシチュエーションで最適な音響を実現しなくてはならないため、かなりの試行錯誤を重ねました。
 その後、プールや体育館、陸上競技場の音響システムの設計に携わります。残響の多いプールの音響システムの設計では、大学の研究室と協力し、シミュレーションや1/30 の建築模型による実験や検証を重ねました。陸上競技場は近隣の騒音にならないよう配慮しつつ、音圧を得るのに苦労しました。
 このようなさまざまな試行錯誤と経験が、東京で開催された世界的なスポーツイベントでも活かされました。既存の体育館の改修では、新しい高容量スピーカーをシミュレーションし、分散型で配置しました。東京アクアティクスセンターのプールや大井ホッケー競技場などの新しい施設の音響システムの設計も担当させていただきました。
 歴史的なイベントに関わることができ、技術も営業も意気込み高く、みんなで力を合わせて取り組みました。
 テレビで競技を見ながら、「この会場の音響はお父さんが担当したんだ」と家族に伝えた時は、誇らしかったですね。